Enter The Void

1991, Tokyo. A trader from the country side. Book

繊細で美しい世界と、

神保町の祭典で手に入れた獲物達の幸せな重みを背中にずっしりと感じながら地下鉄に乗り、隣の人に寄りかかっていなかったか不安になるほど激しくガクンッ!ガクンッ!と昼寝しながら家路を進んだ。ふっと目を覚ますと車窓から控えめな夕焼けと見慣れた最寄り近くの風景が…。間抜けに口をポカンと開けてました。日曜の夕方四時にゴッサムに居るなんてなかなか無いことなので、本を読みながら時計を覗いてははボーナス貰ったみたいに嬉しくなっていた。

 

 

 

嬉しい、まだ五時!

 

 

信じられない!まだ六時二十分!

 

 

 

…あれ?もう七時五十分…?

 

 

なんでいつの間にか八時半なのよッ!!!

 

 

 

 

結局あっという間でしたね。

 

そうしてただいま時刻は二十二時三十五分。

ウィスキーを飲みながらゆっくり「読みたい」思いと、私の頭のなかを地獄の様に渦巻き駆け巡ってこちらを苦しめては面白がらせている諸々を「書きたい」思いが二兆対立!その結果、私は結局飲みながら書くことを(しかし結局その後に読みながら夜更かしをする地獄のコースを)選択いたしました。

 

 

最近の私の脳内はアイディアにジャックされ、パッションにジャックされ、イシューにジャックされ、ホルモンバランスにジャックされ、忙しいらしい。それでいて相変わらずどっちつかずで結論が出ないことにハートのキャパをふっととられて落ち込んだりする。自分でもストッパーをかけないと、性能の良くない脳みそがどんどん悲しいテーゼを構築せんとするのだ。

 

 

 

 

そんな風に頭の電気配線がこんがらがって心の骨折をして修理がつかないでいるもののひとつのなかに、私が大好きだったものがある。

 

 

 

 

それはストリップだ。

 

 

 

 

書き虫の私でも自分がきちんとするまでは考えることをストップさせてしまわないと、脳みそがあっというまに中途半端なネガティブテーゼを打ち出してしまい、本当に本当に足を運ぶ勇気がでなくなってしまいそうで怖かった。なので、正直に言って避けてきました。しかも困ったことに、それをどうにもこうにも上手く言語化できないでいるのです。

 

でもでもでも、そんなこんなで躊躇っているうちに推しのお姉さんが引退しちゃったらどうしよう!そして、早く元通り幸せに彼女を観に行けるようになりたいという気持ちが溢れてきてしまって、性能の悪い脳みそはより一層のこと混乱を極めてしまったのだ。

 

そもそも私は、いくつかショッキングなことが重なった上にちょうど職業上で先に進む覚悟を問われていた時に「このままじゃ人生がマジでヤバい」と真剣にショックを受けて、ありとあらゆる悪あがきをはじめた。ずっとサボっていたレヅ活をはじめて、本当はちっとも好きじゃなかった二丁目に友達のおかげで飲みに行ったり、似合わないクラブに行ったりしていた。(実際問題あそこはこの世の楽園ですけどね)

だから、「今は劇場はお休みするけれど、きっと私自身がちゃんと前に進んで幸福になればまたふらっと劇場通いができるはず!」、そう信じていました。

 

 

 

けれど、色々なことが落ち着き…?いや…はじまり始めた今なら分かる。それはどうやら嘘だった…。私が気づきたくなかったこと。それは。

 

 

 

私にはストリップのお客さんになる能力も才能も、驚くほど欠けていたんです…。私が張り裂けるように辛くて認めたくなかったことは、自分がストリップのお客さんでいることから骨折して挫折してしまっていることに気が付いたことでした。

 

想像がつかないと思いますけど、自分がプレイヤーでもなんでもない世界、しかもただただありがたく応援させてもらっている世界でも、「ファンであることに挫折する」ということは可能なんですよ。(笑)

 

しかも挫折も挫折本物の挫折で、ぼろ雑巾のような気持になって泣き出したいくらいには悲しいのよ。だって、大好きでリスペクトしている人達が命かけている世界と自分の性格に1mmも相性がないんだよ。本当に申し訳なくて悲しかった。

 

しかも、それはステージやお姉さんたちとはてんで一切関係ない、その世界の仕組み的な部分に対してなの。シンプルに言ってきっと私は、ストリップのお客さんになるにはヘタレで無口でマッチョで人間嫌い過ぎたんだよね!(笑)「誰の手も借りない」と独立心が強すぎる、筋肉過ぎる性格だからさ、あの繊細な美しい世界と自分は”ぴったり”ではなかったんだあ。

 

 

 

ステージで活躍している方々が大好きだった。だから少し無理をしてでも、向かなくっても、全然合わなくっても、通うことができた。

 

 

けれど、「合わなかった」「よゆーで挫折した」ということを正直に受け入れてみると、そもそもの本質はストリップの運営スタイルとか収益の仕組みとか他のお客様の価値観やムードではなくて、踊り子さんと、ステージじゃん!!!って思った。ほんとはただただ観に行って良いはずの場所なのになあ。なんでストリップってそうじゃない仕組みなのー?!なんでそんなにダブルバインドなのー?!って、やっぱり疑問に思ったりしちゃいます…。

 

だけど、行けない理由をただ自分の状況だけに還元して「あと少し、もう少し改善」と先送るほど、上記に私がつづったような本当の心のトラブルは対峙されずに避けられちゃうわけで。このまま一生大好きな人たちを観に行けなくなっちまうぞ、と本腰を上げた結果がただ混乱したまま書いただけというウンコな状態なんですけど。

 

そう、混乱しているというのが大切な答えでござりました。

 

今日は終了私の葛藤の第一ラウンド。