Enter The Void

1991, Tokyo. A trader from the country side. Book

美女づくし

十年連れ沿った嫁(四足歩行)が浮気していたので、泣く泣く写真の整理をしようとアプリを開いた。私とおまえの十年間なんて、スライドひとつで消えちゃうんだから。ばかばか。愛なんて幻なのね。私(二足歩行時々四足)の隣で眠った翌日、別の女(四足)と寝てたのね。…というのは冗談で、目を閉じれば英語を雨の様に降らせて外国の音を聞くことができる己の不可思議な性癖を余すことなく味わって、そろそろ自分の人生を歩んで行こうと思ったからだ。活躍の舞台は切り開いて掴めるのだし、新しく作り出すことだってできるのだから。会社からの期待と愛と評価で胸いっぱい体いっぱいだけど。今。

 

しかし、そうして久しぶりに写真アプリを開いてみると、余すことなく現れるは美女。ひと月前、美女。三年前。美女。数週間前も、美女。ときどき嫁。もといネコちゃん。溢れんばかりの美女。三千円握って、いつも胸がはちきれんばかりにドキドキしながら観に行った美女。千円で天国へ連れてったくれた美女。大好き美女。そこに時々挟まってくる友人との写真や、この愛しい外資での目も覚めるような高級な食べ物と思い出の写真。それにしても美女。やっぱり美女。ひたすら美女。いえーい!美女!

 

結構な量となによりブレないその持続性に流石にあきれた。昨日だっておっぱいアイスに嬉々としてかじりついたくらいだし。いつからこうだっけ?Maltaに居た時はI wanna be a 女スキって永遠の賢者みたいなこと言ってたのに。誰が私をメス豚へ変えたんですか?

 

そうしてスクロールしていくと景色は目まぐるしくヨーロッパからアジア、ド田舎から東京へと移り変わっていく。そんな世界の移ろいにも淘汰されることなく、数年の間一貫して登場する女性が二名だけいた。それはアリアナ・グランデセシル・ド・フランスだ。(レア・セドゥもなかなか。)私のThe Best of secretは、そもそも石油王になろうと思った理由がアリアナ・グランデだったことである。(訂正:It should have been the one of top secret in my life.)「マジ石油王になって年の数だけバラを贈りてえ~Foooo」とjokingし始めたのが習慣になってしまったらしい。そのことを割と最近思い出した。

 

言霊というくらいだから、石油王にくらいならないと女性には愛されないという幸福の交換条件が無意識の底までしみ込んでしまったのだろう。ああ、それにしても可愛い、アリアナ・グランデ。あの可憐な声といったら、猫と周波数が同じに違いない。小柄なところもまた黒猫っぽい。たまらん。猫、美女、猫。混沌。慰め。

 

 

だけど、昨日訳した曲では「私は天に愛された特別なスーパーマンを探してるんじゃない」って言ってた。それって本当かな。最近、本当な気がしてきたんだ。私達の誰にもきっといる。歩いていく道の途中で出会ったひとつひとつが、本物だ。今までだってそう。だけどこれからは、もっと、もっと、ずっと、世界は雄大で泳ぎがい遊びがいのあつ場所になるに違いない。特別なスーパーマンじゃない私を見つけてくれた誰か。見つけ合って愛し合っていけたらいいな。そんな日がきたら、いいな。