Enter The Void

最近はジャズとちひろさんに夢中です。

USの同僚

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かれこれ三年以上ほぼ毎日Corespondenseしている同僚がアメリカにいる。

 

顔も年齢も性格も分からない”同僚”や”パートナー”との仕事が始まって以来、彼女は常に良い意味で特殊中の特殊だった。プロという言葉があんなに似合うworkaholicは、働きアリの如く真面目に働く日本を探してもそうそういないことだろう…。

 

凡そ完璧とも言っていい頼もしい文面と仕事っぷりから(皆異口同音にそう言う)、明るくて力強い典型的な米国人を想像していた。しかし、先日記事に書いた大きなトラブルによって始めてTeamsを通じて”対面”する機会ができて…彼女が相当デリケートでインテリなタイプだったことが判明して激しく衝撃を受けました。(水の様にコーラ飲んでたけど…)なんと、数年に一回大泣きしながら上司に電話をかけてくるらしい!なにそのギャップキュン!いやキュンじゃない!大事!もう、50代かなあ。

 

ちゃんと時々弱くなってくれるのね…社内に弱くなれる人がいて良かった…。(受け止める上司も偉大。)

完璧な筈の彼女が、完璧で在れなくなって久しい。24時間コンビ二状態で働いているにも関わらず…あんなに頼もしかった仕事っぷりが嘘の様で、何週間も滞ってしまう。Covid-19でray offが進み、少ない人員で仕事を回している所為だ。完璧にやり遂げたい人のところに、とても完璧にはできない程の量の大量の業務が舞い込んでいるんだろう。その心理的なストレスは相当なものだと思う。

 

彼女の負担を少しでも減らそうと日本側が気を回すと、過小評価されているように感じて余計に傷ついて時々爆発して泣いてしまうとのことだった。もう、なんともやりきれない。助けようがない。私は、このような組織を作った会社の責任を強く責めます。

 

つい先日、上司がその同僚と「個人的に話してみたらどうだろう?プロ意識の高い彼女と親しくなるのは、あなたの人生にとってとってもいい刺激になるはずだよ」、とすすめてくれた。裏を返すと、「ただの平社員でしかないお前が本社側の人間と個人的に話していいよ」とお墨付きが出たわけで、私はびっくりしたしとっても嬉しかったものです。メールのやりとりからでも、最高の先輩の一人だなと感じていたUSの同僚。ああそんな夢みたいな日が来るのなら、最近アレルギーが出始めている英語も頑張ろうか…とちょっとだけやる気を回復しているところ…。

 

 

で、頭書の件!

 

 

O☆K☆I☆N☆A☆W☆A☆

 

 

もうすぐです…再来週です…今度は三泊です…

 

恒例のフライング沖縄で、泡盛飲んでかちゅーゆとか作りながら沖縄本を読み漁っております。実はこの前乗り期が一番楽しいかも知れないw

昨年は那覇ひめゆりの塔、ビーチ、Futenma Baseと行きました。観光目的というよりは、仕事について知りたい・考えたいという動機の旅行でしたね。今回は、コザや北部に行きたい。そしてKadenaや、Henokoもできれば…。

 

しかし、毎度ながら知れば知るほどOkinawaの歴史や構造は複雑で、理不尽と悲しみで一杯で、自分の立ち位置も正しい選択も分からなくなります。本土に力いっぱい裏切られて、傷つけられて、差別されて…外国に支配されて、利用されて蹂躙されてきた歴史。奪われ続けた歴史。

 

いつかMilitaryがよく飲みに行くBarなんかに行って、なんとか仲良くなって懐に飛び込んで、違う立場から色々語り合えないかな~、なんて妄想もするし大志だけは抱いているのですが。

 

今回は、純粋な旅行者として、ゆっくり自然や沖縄の食べ物を味わいたいな~と思っています。

 

いえ~~~~~~~~いOKINAWA~~~~~~~~~~~~~FOOOOOOOOOOOOOOOOO

 

グロテスク

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もうすぐ大学も卒業するという頃に、清水の舞台から飛び降りるつもりで池袋のLadies Only Barのイベントに飛び込んだ日のことを今でもよく覚えています。

 

友人間や体育会での盛り上がった飲み会の後にもきちんとイイ子で終電で田舎に帰っていたにも関わらず、その日はあまりに楽しくて飲み過ぎて気づけば何故か二子玉川にいた。仕方なくなんとか北千住まで帰ってカラオケでひっくり返っていたわけだが、その晩飲み過ぎてしまったカナディアン・クラブと翌日の始発列車で聴く宇多田ヒカルは生涯忘れられない特別な味がした。恐らく、生まれ変わるとはあのことだ。(後日もう一度同じお店へ行くと、あだ名がC・Cになっていた。飲み過ぎた。そこが今でも私にとって大切な大切な特別なお店です。)

 

当時は見る景色、出会う人、何もかもが本当に新鮮で、殆どの週末を東京で過ごした。昼間ふらついて夜は池袋で飲むのがいつものパターン。そうして新入社員になってばかりの晴れた5月、なんとなく明治神宮や代々木公園を散歩していた時、なんと偶然Gay Paradeにかち合った。今覚えば、なんとなくその日にそんなことをやっているという前情報をネットで見かけていて、その辺をよく分からずふらふらしていたんだと思う。思い切っていく勇気も、その興味も、まだなかった頃だ。

 

「一緒にフロートを歩こう」なんて友達も、二丁目に行ったことだって皆無に等しかったから、虹色のフェイスペイントをしてもらって、なんだか嬉しかった。そのとき、はじめてセックスワーカーの権利をプラカードに掲げた人々を見た。振り返れば最初にその概念を教えてくれたのは、レインボーパレードだったのだ。

 

そのせいだろうか、はたまたストリップを観ていたせいだろうか…私はセックスワーク=社会悪というイメージがどうしても薄かった。日本では数字を見ても明らかに女性が経済的に弱い立場に置かれてているから、不平等・貧困の文脈から性産業を克服すべき社会悪とみなす論調は日常的に見かけていて唸っていた。私は性産業に対するそんな切り口について、己が浅学だということ以外不満も強い反対意見もなかった。しかし果たしてセックスワークをせん滅対象にして良いのか、世の中の仕組みに強要された不幸な選択とみなしてよいのか…心のどこかで頷きかねるまま、この年になった。

 

何故ならそんなフェミニストたちの論調だって、職業に対する色眼鏡のきっかけになるっちゃあ、なるわけぢゃん…そんな気もしていたので余計だ。例えば清掃の仕事をしていて、「あなたの仕事は社会に押し付けられたもので、そんなあなたは惨めです!それはあなたの選択じゃありません!あなたは貧しい!」って言われたら、どう思うだろう?トイレの神様になりたかったのかもよ。すべての人がいて世の中なのに、「惨めな仕事」「立派な仕事」と階級を作り出してレッテルを貼り合うなんて辛いだけ。日本人、そういうの好きに見えるけど…!

 

 

それが今日、上にのっけた衝撃の写真を見かけたわけであります。

お願いです、コロナで困った女の子を助けてください。コロナで困った女の子たちを、買いにきてください。

 

この店は、売春を慈善活動かのように扇動して客を引っ張っている。もう色々崩壊していて硬直した。マジでぎょっとした。

 

随分前から色々なところで言われているけど、性産業がセーフティーネットだった時代はとうに過ぎていると思う。容姿や求められているクオリティが高すぎて、美人で人心掌握術に長けた女の子たちで飽和状態の世界ではないか。そして、その女性たちだって心身を滅茶苦茶すり減らしているじゃないか。そう簡単には稼げない、チャンスをつかめない、続けられない。もしかするとプロ化してきている世界なのかも知れない。上記の状況を考えると、求人倍率が低く昼の仕事の選考も大層厳しいこんな大変な時代に、「セーフティネットを作ろう」としたのだと善意で無理矢理1000000枚くらいくるんで解釈することも不可能ではない。しかし、このお店のコンセプトも広告文もすべてが吐き気がして今すぐ倒産して欲しいと思ってしまうのはなんでだろう…なんでだろう…。迷宮入りした夜。

 

そういえば桐野夏生がグロテスクと言う小説で東電OL殺人事件を題材にしていたよな。高学歴のエリート女子が、夜はなけなしのバックを得ながら立ちんぼをしていたという話である。誰かをそこに向かわせる要因は複雑であろうが、今初めて私は、少なくとも望まない売春を強要されるような政治・世界は一秒先に克服されるべきと、clear pictureを得た気がする。

 

流石にこんな話で久しぶりのブログを終わりたくないから相変わらずインドの取引先をこき下ろそうかと思ったけれど書くのも辛いくらいストレスフルなので大人しくやめます。あっ!深キョンの話する!レズは何故か深キョンが好き!はるちゃん統計!無駄トリビア

激辛難民

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昔の恋人。それはインドカレー屋に行くと必ずと言っていいほどついてくる辛い玉ねぎのアレ...ここ最近、もう一度あいつに会いたくて仕方がありませんでした。

 

マーラータンも北極ラーメンも中々食べられない今、地方ですっかり激辛フード難民になっている。仕方なく鷹の爪を放り込んだ辛口のカレーにタバスコをかけまくってみたりしたものの、やはり何かが足りない...コンビニで売られている北極やきそばを食べてみる...ふざけんな甘いじゃねーか。

 

違うんだ!わたくしは真っ赤で目が痛くなりそうなカプサイシンが恋しいんだ!もっと激しく!唐辛子を摂取したいんだーー!!!(キモい)

 

 

...というわけで、どうしてもインドカレー屋ででてくるもの凄く辛い玉ねぎのアレに会いたくて、Amazonでスパイスを買って手作りすることにした。花より団子。私は辛いものを食べる為にならアマゾン探検隊にだってなんだってなる。歌舞伎町にも行くし通販だってする。ちなみに辛い玉ねぎのアレは「アチャール」と言うらしい。

 

 

 

 

そうしてAmazonからの貨物を受け取り早速作ってみると、あっー!アレだー!まさしくインドカレー屋のあいつだー!!!とハゲしく感動する。スパイスが辛くて香り高くて最高に美味い....カイエンパウダーをどっさりかけて作るアチャール....こうしてわたくしは晴れて激辛難民を脱した...遥かインドの神よシヴァ神よありがとう....(?)

 

 

マンボーで唐辛子に飢えた辛党にはおすすめです。

意味なしオチなしの極みですまん。はぢめて携帯から投稿した。

 

そういえば今年13ちゃいになるわたしのマイハニーを病院に連れて行きました。血液検査にただのひとつの異常もなく、パーフェクトヘルシーにゃんにゃんであることが判明しました。こいつ我が家で一番長生きなんじゃないか。ヨメヨメの為にも唐辛子は用量、用法を守って接したく存じいやそれだけは無理です。

Be in Trouble

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日本イチ美味いマーラータンが本当にあの歌舞伎町にあるというのか?

その謎を解明すべく我々調査団はアマゾンの奥地へ向かった…。

 

 

 

人格と生活の乱れをファンデーションで隠した背の低い兄ちゃんと、それに寄り添う寂しい女の子達(with ストロングゼロ)とすれ違い、ラブホ街を抜け、時に好奇の視線に晒されながらようやくたどり着いたそこは…

 

 

 

 

誠に遺憾ながら満席でございました。Shit.

 

 

遂にアマゾンの奥地へ辿り着いた我々調査団(とか言って実はわたし一人)の苦労も水の泡ですよ…残念…残念だけど、流石にあの街で一人寂しくマーラータンを待つlegendにはなれぬ…。くう…辛いもの…日本イチのマーラータンへの未練を胸に、煌びやかなホストクラブの看板に時折紛れ込んでいる高級キャバクラの綺麗なお姉さんたちに一瞬目移りしながら、歌舞伎町を後にしたのでした。

 

 

COVID-19以来、日本最大の繁華街はどうなっているのか。

その興味もあって、仕事帰りに新宿に寄ったのですが、すっかり小ぎれいになっててびっくりしちゃったよ。私の知っている雑踏の小汚さが鳴りを潜めちまってたな。恐るべし、コロナ。新宿をも浄化するとは…。

 

 

って、今日はこんなshitなことを書きたかったんじゃないのだった。

連日トラブル・不良の連絡が舞い込んでくるので、ブログでまくしたてるネタには枚挙にいとまながないなと思ってこの画面を開いのだった。

 

相変わらず国外のメーカーの感覚には慣れないなあと思うのは、不良が生じた際の温度差です。我々は時にインフラにも関わるmechanicなものを販売しているので、故障が起きてしまうと、それはそれは現場の方は困るわけですよね。凄く大げさに言えば、設備が止まってしまったり、安全が確保できなくなったり。

 

それを今日も向こうのメーカーが再三の督促を̪シカトぶっこいた挙句の果てに「なんでスペアがないの?」って逆切れをかましてきたからね。なんでスペアがないの?なんでスペアがないのって言った?今、なんでスぺアがないのって言った?

 

 

衝撃過ぎて顎が抜けそうである。

 

 

しかし、本当の衝撃はここからじゃった。

 

 

本件の取引先工場はUSAだったので、窓口になっているJapanを挟んでやりとりしていると、時差もあって状況がよく見えて来ないし、督促が効果的に行えません。米国オフィスから直接工場へ状況確認できるパイプはもっておきたい。工場の連絡先が知りたい。

 

勿論、いらぬ角が立たないように「出荷に必要だから君たちのUSA工場の担当者の連絡先を教えてくれ~」とぼかして日本法人にリクエストしたのですが…

 

 

案の定、日本の窓口の奴が電話をかけてきてだな…

 

 

 

 

「私の対応が遅いって言ってるんですか?」って言ってきた。

 

 

 

 

 

私の対応が遅いって言ってるんですかって言った…?

 

 

今!私の対応が遅いって言ってるんですかって言った?

 

 

 

 

輪をかけて衝撃である。

 

 

迷惑をかけて3週間No Responseだったのは、事実あなたたちだよ!あなたのせいじゃないのはよ~く知ってるけど…!

 

トラブルを起こして迷惑をかけている時に己の主張ばかりかますなんて内資では到底理解できないと思うけど、これが外資の宇宙人たちの感覚ですな。すげ~よな。

 

結局、蓋を開けてみると工場はUSAにあるけれど窓口がドバイという地獄のサンドイッチだったことが分かりました。Japan→Dubai→USAの経路。Japanの担当者はクソからクソへ(失敬!でも本当!)依頼をかけている状況で、思う返事がなかなかだせなかったんだよね。その方は普段から迅速だし(やっぱり同じ日本人で多少常識を共にしているし…)、彼女から返答がない時は問い合わせ先工場に原因があることは我々もよくわかっているんだよ。

 

でも、重要な案件で直接現地とやり取りできないことは、やっぱりものすごい不安とストレスですし、命とりにもなりますからね。分かってちょ...。なんかね…最近癒しが欲しいです…ネコをちゅっちゅしようとして噛まれるだけじゃ私の胸の傷は癒されたいのだわ....いわゆる推しか…?推しなのか…?

 

 

そういえばガッキーが結婚して推しロス休暇が話題になりましたよね。

 

その数日前にAriana Grandeが結婚したことの方がわたくしには衝撃でした。

 

新入社員時代、生まれて初めての満員電車でおっさんにぎゅーぎゅーにつぶされているあいだ、何度ArianaにBaby🎵🎵Be alright🎵🎵と言って貰ったか分かりません…目を閉じると若干悪臭が和らいで社内がフローラルになりましたよね…天使ちゃんの美声だけで…

 

 

Congrats, Congrats......

 

 

 

寝込むわ。

 

 

 

わたくしも明日は推しロス休暇いただきたく存じます。

 

Enter the Void

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(思わず笑った案内)

 

癒しを巡る旅は続く…

タイマッサージとセブンのサバが息抜きという、恐らく人生で最も健全な嗜癖を抱えております。

 

この案件が落ち着かないと将来にわたって巨額を失ってしまうというsuper criticalな案件が奇跡的に事なきを得て一安心したのもつかの間、忙殺されておりました。

 

基地のインフラに関わる設備を期日までに修理(しかも不良品納めてたっていうねw)しないと停電してしまうという状況の中で、何回連絡しても向こうのメーカーがうんともすんとも言わなくて。おかげさまで入社以来初めてUSAの同僚と対面(?)オンライン会議をしました。

 

取引先の窓口はKorea、現場はUSAという状況で、保守的で無責任なKorea側は面倒ごとに対してNo supportなわけです。その癖、我々が直接工場とやりとりすることは許さないのよ自分たちのメンツが潰れるから。酷いでしょ~?

 

貿易といえば、海外との通話だ会議だなんてしょっちゅうやってそうなイメージを持たれる方が多いと思うのですが、対同僚然り、対取引先然り…基本的に相手の時間を完全に拘束する通話はなるべく最小限にします。勿論、言葉の壁もある。

 

しかし…

わたくしも今回のことは流石に参ってしまって、修理が上手くいかないしわ寄せ・責任のすべてが輸送も担当しているわたくしに来て突然責め立てられることとなり、いやね、そんなに大切な仕事ならその前段階の修理手続きをきちんとハンドリングしなさいよ。重要な案件に対して墓穴を掘った顧客自身と上司たちの責任の所在は?馬鹿なんじゃないの?と怒りで一杯でしたよ。ウフフ。Fuck Kill.

 

そんなこんなで色々あって、その後更に所謂…辞めハラ…?(追記:ヤメハラの使い方まちがってました。やめちゃわないか過剰にさぐられることを差しましたw)のようなデリケートな状況になってしまって、んま~更にストレスが溜まるという…。

 

そんなクソッたれな一週間がやっと終わったぞ~♡と近場のタイマッサージへ駆け込むと、若いまだ駆け出しのかわいい子がひょこっとでてきた。かわいい。兎に角たどたどしい。踏まれながら(文字通り)そうよ…私たちまるでだめな大人を踏み台にして成長しなさい…痛い…やっぱり踏まないで…と思った…。

 

しかしよっぽど気持ちはすさんでいたらしい。「だいじょぶですか?」の優しい笑顔にめちゃくちゃ癒されてしまった。廃墟に咲く花に見えた…。

 

ああ、わたしはなんて哀れなおっさんのような女になってしまったんだ…「コンビニ店員さんの笑顔に癒されました(無職)」みたいな感じだよな…。

 

 

まあ、そんな感じでございました。Enter the voidだろ。(虚無の入り口)

 

これからも、ブログタイトルの通り、世のスタンダードレールから外れたhellをみなさまにご案内できるよう、道を踏み外すことを精進したく存じます。

 

あー疲れた。

異文化マッサージデヴュー

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「我慢のGW」もまさかの二周目ですね。

(悪夢の三周目も頭の片隅に浮かんでしまうな、Nippon…。)

 

折角GWは静かにケアのことを学んだりリラックスして過ごしていたので、ふと思い立ってタイ古式マッサージを受けてみた!

 

 

タイ古式マッサージ

 

と言えば、歯医者とまではいかないが、このクッソ田舎でもそこらかしこで見かける。日焼けした怪しげな看板が目印の未知の世界である。近場にどんなお店があるのか色々調べてみると、隣町(県庁所在地)だけでも二十軒は軽く超えるタイマッサージ店があることが分かった。

 

なんと、超ご近所(※地方では車で15分圏内を近所と呼ぶ)にも数軒…!

価格も30分2500円、60分4000円~とお手頃。各種第三の医院と比較すると格安だ。夜中2時までの営業時間と、異国風の店内のムードもタイ古式マッサージのウリらしい。

 

しかし、正直なところ、新橋とかにはマッサージ店の面を被った怪しい風俗店が乱立しているので、タイマッサージと言うと割とそういうグレーなイメージがありました。(ごめん)

 

実際問題、お店をググってみると…

 

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あえて女性OKをアピールしていたり…

 

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純粋なマッサージ店であることをアピールしたりしていて、玉石混交の実態と苦労の一端がうかがえる。まあ、Googleを見る限りでは評判良く、ホワイトの様だし、これは面白そうだぞ…。そうしてご利益も調べないまま、わくわくしながら夜の21時に予約をとってみる。

 

実際に行ってみると、暖色の照明を落とした店内にお香のかおりが漂ってとってもエスニック。ちょっと凝ったお店に行けば、バリ島にでも行った気分になれるかも知れない。Non 日本語 Nativeの現地の方が、「痛いのはどこですか?」「うつぶせになってください」と喋ったのが最後。ふくらはぎに激痛がはしる。

 

痛い!!!!!超痛い!!!!

 

 

信じられないくらい痛い。おそらく言葉の問題で終始無言なのも地獄みが増す。

普通によじよじ登って踏んでくる。待って、踏まないで。重いとは言わない。踏まないで。この世にこんなに痛いサービスがあったのか。脂汗をかく。今時歯医者でもこんなに痛い目に遭わないだろう。その後も巧妙に体重とてこの原理を使って背中、ケツ、肩と全身を指圧される。最早痛すぎて笑ってました。

 

しかし!30分の地獄のマッサージに耐えてみると、半生を共にして体の一部だとおもいこんでいた重い肩こりが見事に消えているのである。凄い!!!!タイ古式マッサージ凄い!!!!味を占めて、GW中に二回行ってきました。

 

二回目はとっても陽気なお姉さんが施術者で、ちょっとした体のロジックを教えてくれたり(ふくらはぎ凝ってる人、腰、痛い)、「カタイ!!お姉さんカタイ!!!!痛かったら言ってください!!」と気遣ってくれたり、「外雨降ってた?濡れてる、あ、痛かった?!汗?!ぺたぺた🤣」とケラケラ笑って話しかけてくれて随分楽だった。

 

しかし、今回の施術者は手際が良くて力強く複雑な寝技をかけてきていたので、痛みも効果も三倍マシでした。泣くかと思った。人気店のようで、ひっきりなしに客から電話がかかってきていた。「アミちゃんならアイテル!エミちゃん今ダメ!」と応答していた。どうやら指名もできるらしい。

 

仰向けになってね!と腕を引っ張られて起こされると思いっきり胸が出ていて「どこを見るのが正しい礼儀ですか?」と困惑した。ここで初めてイメージ通りのタイマッサージの世界、夜の空気を感じた。「だいじょぶ?」と笑われた。40分の激痛マッサージが終わると、こんもりしてた肩の肉が消滅した。プロだった。

 

というワケで、今所謂ゆりもどしで頭が痛いしとても眠い。何も考えられない。明日も出社だ。寝る。タイマッサージは多分クリーンだし本当に凄いしこんな技術を輸入してくれてタイの皆様、多謝という話でした。オススメ。

 

急に具合が悪くなる

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(右上に眠っているのがその子…)そうだ。急に具合は悪くなる。長年寄り添った自宅の床を遂に踏み抜いてしまった瞬間の様に、または地の底から突如やってくる天災の揺れの様に。

 

先日ぎっくり腰になったと書きましたが、鍼を二回受けても一向に良くならずに困っていました。治療を受けたその場だけは魔法の様に楽になるものの、一晩眠って翌朝パソコンのスイッチを点ける頃にはもう元のぎちぎちに硬直した腰に戻ってしまい、歩く度にまるで自分の体をしならない丸太の様に感じていました。遂に座っているのも辛くなり、学生時代からお世話になっているカイロの医院へ駆け込んだのが月曜日です。

 

先生は「久しぶりだね」と少し体の動きをチェックした後、直ぐに私を仰向けにしました。腰痛が原因で来院したにも関わらず、「お腹から触るね」と治療を始めて暫くすると、「体が疲れてしまっていて、自分で治せなくなっているんだよ。細胞が、血管が、元気がないと、いくら骨をいじっても仕方がない。」としみじみ言われました。

 

二度目のぎっくり腰がこうまで長期化してしまった原因が日々の暮らしにあることは、薄々分かっていました。心と体は切り離せないもの。仕事上であまりにもCriticalな状況が続いたこと、そこを始点に暮らしと健康とハートのバランスが崩れていたこと。恐らく治癒力が弱ってしまう原因は、そこにあったのでしょう。加えて、これはもう性分なので半ば諦めておりますが、常にやりたいことや課題に追われていて、のんびり暇をするということがどうしてもできないのです。私はとてもケチで、常に時間の損得勘定をしています。

  

そうして、痛い腰と共に前回紹介した「病院(ブッククラブ回さん)(まじおすすめ)」を再訪してきました。ゆっくりバランスを取り戻すためのヒントになる書籍を探り、努めて健康をサポートしてくれるような習慣を取り入れ(オイルマッサージと入浴と運動くらいですけど…)られるよう試行錯誤中。

 

buchicoco.hatenablog.com

 

本日、晴れて数週間ぶりに前屈できるようになりました。嬉しくて思わず猫を抱っこした。猫を吸うのに屈んでももう痛くない。猫ちゅっちゅし放題。

 

 

 

しかし、バランスと健康を巡る私の本当の戦いはこれからです。

さて、この先の旅をどう進めたら良いのでしょう?

 

私たちは、ただでさえ年々衰えて醜く弱っていく体を車両として、人生をドライブしていかなければならないのです。私は燃料を入れることも上手くなければ、メンテナンスの技術にも乏しい、半生を心身症と付き合っていながら未だに頼りない運転手であります。これはなんとかしなければ。

 

 

本棚で静かに眠る時代、国境を越えた友人たちを眺める。

生きていくには、彼らの並走が何より欠かせません。

 

ヴァージニア・ウルフの「自分ひとりの部屋」を開きます。かつては女が立ち入ることができなかった名門大学の傍の川辺に座り、ありし日のイギリスの会食の姿を想像するウルフ。博物館の書庫にこもり、自分と、女たちに降りかかる運命(「女は奴隷の様に家に使えなさい。財産は不要です。」)の理不尽の謎を紐解いていくウルフ。泣いたり笑ったり、百面相をしながら彼女の言葉に癒されていく。

 

「それに加えて、わたしの才能、ささやかではあっても、あの教授にとって貴重であったのと同様、わたしにとっても使わないのは死に等しいその才能が、ただ朽ち果てていく、わたし自身もわたしの魂もいっしょに朽ち果てていくという気がしていました。そしてこれからの全部は、まるで病が春に咲き誇る花々を侵食していき、やがては樹木を芯まで駄目にしてしまうのに等しいと感じられたのでした。」

 

 

 

この言葉ほど、今の私の迷いを代弁してくれる言葉はないと感じました。

米国の会社にたどり着き、「必要だ」「性別なんて関係ない一緒に上を目指そう」とありがたくも言っていただいて尚、私は上記でウルフが言ったような苦しみ、男たちの為に自分を捧げ、存在し切れない苦しみから逃げることができずにいました。

 

つまり、今の私は魂もひどく不健康だったのです。

 

 

 

ここでいったん、体に戻りましょう。 

オンラインで読書会を開催するようになって一年が経ちました。度々顔を出して頂いている印象深い参加者様の一人に、医療従事者の年配の女性がおります。彼女が初めて拙会で紹介してくれた本が、私にとって生涯忘れられない一冊となりました。

 

www.shobunsha.co.jp

 

 「急に具合が悪くなる」は、乳がんと多発転移に侵された哲学者の宮野真生子さんと、その友人の人類学者である磯野真穂さんの間で交わされた往復書簡として構成されています。二人は出会って間もない筈なのに、まるで古来の親友の様にお互いの核を共有しあい、リスペクトし合っているように思われます。そのリスペクトと、恐らくは両名の知的な体力ゆえに、死がそこに迫っていながらも反目し合うような題について最後まで対話し続けます。

 

宮野さんは偶然性について説いた九鬼周造の研究者ですが、「腑に落とす必要なんてない。受け入れられない、理不尽だともがけばいい。むしろ、わが身に降りかかった出来事を分かる・分かりやすいことに落とし込んで流されてしまうことの方が、問題だ」と言っています。これが凄く面白かった。

 

 

 「分からなさの前で、自分を取り返す為に、私たちは問わなければならない。これはなんなのだ、と。安易な物語に取り込まれない立脚点を、分からないことに怒り、それを問う力を、自分の人生を取り戻す強さを、哲学は私に与えてくれたのです」

 

 

もう、良いですよね。心と体が繋がっていたって、私たちはそのどちらも支配できやしません。本質的には勝手に弱るし、勝手に元気になるし、勝手に死んでくんだと思うよ。努力はできるだろうけどね。でも、決して言いなりになりゃしない。ガンよ消えろと言えば消えてくれるなら、そりゃどんなにいいか。だから、宮野さんの「腑に落とす必要なんてない、分からないと怒っていい、受けれなくていい。」という言葉は、凄く、凄く、力強く響いてくる。偶然が織りなしている世界で、偶然出会ってしまった状況を、腑に落としてなんてやらない。こんなの分からないよ!と問い続けて怒る力を、勇気を、この本は私に分けてくれました。

 

 

 

あれ。何だ今日の記事。そろそろ推敲というスキルを身に着けたい。