Enter The Void

最近はジャズとちひろさんに夢中です。

Standing in Limbo

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というタイトルが原題の映画がNetfrixで目について。

 

かれこれ半年くらい業務過多な状況が続いているのだが、少し落ち着いたと思いきやまた状況が悪化の一途を辿ることの繰り返し。いよいよAss holeの為にシーシュポスの岩を転がされている思いになってきたところで、読書会のみなさんにこんな時にオススメの本を尋ねたら素敵な回答がきた。「急に具合が悪くなる」を教えてくれた女性の推薦は「説教したがる男たち」と「その名を暴け」。「本の中でかえりうちにしてやりましょう!」とのこと。なんて素敵な人なんだ。(笑) 

 

なんでも本当にミトコンドリアとテストステロンで構成されている管理ができない上長なもので、当方に業務が集中している時に不要不急のことを押し付けることがよくある。その上、昨年大手からかなり灰汁のある奴が転がり込んできたもんで、定時を過ぎた後に私にCCが落ちていない案件について「対応しましたか?後手後手なので(対応できなければ)自ら声を上げてください」とか平気でのたまうわけよ。驚きでしょう。サイコパス図録かおめーらは。

 

仕方がないので業務の依頼の際には優先順位を伝えてくれればそのように対応すること、パンパンであることを遂に伝えたら急に話し合いになり、Ass hole達から逆に文句を言われるというね。わかっていたけれど、流石にこの対応には唖然として顎が外れそうになっていたところ…。なんだろうな…一線を越えてもう悲しいんだよね最近…やっぱり他の社員さんたちのことも、仕事内容も今でもrespectしているから。本当に拾って貰ってよかったって思ってたしさ。一時は慕っていた上長だしね。

 

しかしですね…ありがたいことにLadiesは支えようとしてくれているようで、「私が逆の状況になったとしたら、はるちゃんは助けようと思ってくれているよね。それと同じなんだよ。(助けるよ)」「あれから考えたけど話し合いの内容に納得できない。はるちゃんが納得できていればいいんだけど、良かったら来週話そう。私が大変な時に本当に助けられたから力になりたいです」「声を上げてと言えば聞こえはいいけど、管理を放棄しているようにしか聞こえない」と言ってくれたですよ…。誰かが気づいて、考えて踏み込んできてくれたことがありがたかったなあ…。

 

今日書いた一連のことで思う。もしかすると、確かにこの世には小さなシスターフッドのようなものがあって…いや、あるのではないんだな、そのような結託を作り出して戦わなければならない不当な状況が多すぎて、男達はそれを強いていることにすら気づいていないのかも知れません。私たちもたまには愚かなミトコンドリアになってみたいもんですよね、と嫌み言いたくなる程度には最近本当に絶望した。くさっても国内・国外の大企業相手に巨額のお金を動かしてきたはずの外国の会社でこの惨状に陥るのか…みたいな…。。でも、先日会社からキンケンを12000円分貰いましたので即・換金して本を買いました。(写真)

 

 

I am a sinner who's probably gonna sin again
Lord, forgive me
Lord, forgive me
Things I don't understand
Sometimes I need to be alone
Bitch, don't kill my vibe! Bitch, don't kill my vibe!

I can feel your energy from two planets away
I got my drink, I got my music
I would share it, but today I'm yelling

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帰国

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無事にすべての旅程を終えて遥か琉球王国から帰国しました。

非常に濃ゆい、出会いや思い出で一杯の旅だったのでなんだか落ち着いて書く気になれなくてなあ~…。

初日、元旦に始発で成田からのフライトは想像以上に辛かった。極寒。着陸するとCAさんが「本日の天候は晴れ・気温は21度」って必ずアナウンスしてくれるんだけど、この気候のギャップには何度行ってもポカーンだよね。Okinawa 熱い。熱かった。

 

初日はNahaで過ごして、翌日から憧れの北部・水族館方面を経由してNakijinへ。

コンビニもない、昔からの美しい集落と天然の海のある村で、昭和レトロな宿に宿泊。併設されている居酒屋が有名店だったらしく、なんと蛇口を捻ると泡盛が出てくる…。泡盛飲み放題…驚異のせんべろ。

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翌朝はまだ暗いうちに近くの海辺へ。

フクギ並木と熱帯の植物に囲まれた綺麗な集落を歩いて、朝焼けの自然のままの海を見て最高の朝でした。

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(WATTAでキマッてる。)

 

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Nakijinの次はUrumaに二泊宿をとったのですが、これが想像以上に交通の便が悪くて曲者でした。けれど、それだけ苦労して辿り着いた価値がある良い出会いと絶景が待っておりましたね…。

 

 

見よ!!!このアンティックでロマンチックなホテル!!!!!with 妹

 

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部屋の天井は赤い。シャワーの作りが完全にあっち…。

なんでも、こちらのホテルはCamp Cxxrtneyの近くにあるので軍の方のお墨付きで関係者も多いとか。向こうの方には堪らないでしょうね~この空間。

 

本当に素敵な店主さんでね。こんなところよく見つけてくれたね、ご縁に感謝だわとバーカウンターからバーボンを出してくれて一緒に煙草をくゆらせながらゆっくりOkinawaとmilitaryのこと…政治のこと…移住のこと…色々な話を聞かせてもらいました。

 

やっぱり住んでいる人にしか分からない内部事情がてんこ盛りなんだなあと目から鱗の時間だった。その昔、店主さんが洋食屋さんを営んでいた時に軍の若い子たちが「Mama」「Papa」と慕ってくれて今でも連絡を取り合っていることで軍へのイメージが変わったのよ~とおっしゃっていたな。ちなみにこちらのホテルには、知事さんも何度かいらしているようですよ…納得…。

(ハイセンスな店主さんが手巻き煙草を巻いて吸っているなか、私はアイコス。ムードゼロ。)

 

あまり注目されていないかも知れませんが、Urumaは驚くほど美しいです…。こんな透明な海は生まれて初めてと感激しました。城跡や、信仰の残る離島へ足を運び、素敵な宿で大満足。UrumaはMaltaで言うとMarsaxlokkの辺りだね~。工業団地 x 漁村 x 美しい海。好みの人は嵌ると思う。

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良い旅だっだね。

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Okinawaへ足を運ぶ度「この冒険ももう終わりかな」とひとつ終わってはまた、新しい世界を知って新しい冒険が始まる感じがします。何度でも恋に落ち直せる場所。Okinawaのもつチャンプルーな多面性がそうさせるんじゃないかな、きっと。

 

 

 

滅茶苦茶どうでも良いんですけど、先日ラチェッドを寝ながら流していた時に主人公のラチェッドがハックというナイスガイに告白されて断るシーンがあって、その時の英語がね…

 

You are wonderful man, Huck. But...I'm coming to understand that...I might be the kind of person...the kind of woman who enjyoys the company of other woman. If you take my meaning. I would appreciate it if you didn't tell anyone.

 

私思わず吹き出しちゃったんだけど、如何でしょうか。ラチェッドってミステリアスでサイコで堅苦しく喋るキャラクターでそれがなんとも言えない危うい雰囲気になってるっぽいんですが、なんなんですかこの遠回して堅苦しいcoming outは!!ww

 

要するに「私は男性はダメだからあなたとは付き合えない。どうか秘密にしておいてね。」ということを震え声でナイスガイに伝えて誠実に断っているシーンなのだが…。

私くらいのレベルだから誤解して笑っちゃうだけで、Nativeが聞いたら別になんとも思わない自然な言い方のかなー。いつでもどんな時でも書き言葉みたいにシリアスにきっちり話すラチェッドは、そこが奇妙で面白い(チャーミング)と思うのだけど。私はつい吹き出しました。

 

mightよりもっと揺らいでいる表現ってなんでしょうね?

 

言葉の違いって面白いです。

 

 

Ginza

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銀座には決して気取り過ぎない素敵なお店が沢山ある。昨年会社の先輩に連れて行って貰ったsherry専門店に母親を連れて行ったところ、すっっかりsherryの虜になってしまった。ずっと再訪を楽しみにしていたので、先日はBunkamuraや森アーツギャラリーを経由して久しぶりに行って参りました。階下のショップではファンブックを買ってみたりボトルを買い込んだり.....「田舎のパートのオバンがどこまで極める気や?」って感じである。連れてかない方が良かったかも知れない。


しかし、こんなにも好きになれるものに出会えたことは素晴らしいことで、先輩に感謝である。


しかし私は東京=激辛=トウガラシで頭が一杯だったので、時間が足りなくて渋谷のチーパオマーラータンに寄れなかった悲しみのあまりに「マーラータン......マーラータン....」と譫言の様に呟いていました。満たされなかった激辛欲のあまり、翌日ハバネロソースを買ってなんにでもぶっかけている。


気づけば年の瀬。追われているのでまったく気持ちの良い年越しではないけれど、海外メーカーはこぞって休みな為にもうなにもできないのがこの時期。


明日は仕事納めの上、コロナで延期になっていた若手のladiesとの飲み会で銀座へ駆り出すことになっているので楽しみです。


そして今年のholidayは1月1日から那覇に旅立つのです....フゥーーー今回は北部、うるまを中心に回るYo。実は体調を崩して気晴らしにベッドからこれを書いているのだが、


譲れない事柄については黙って心を売り渡さないよう、自ら自分を惨めにするような選択はしないよう、良くも悪くも色々な機会を跳ね除けて生きてきたつもりだけど、美しかった筈ことが何より自分を傷つけて惨めにさせるときはどうしたら良いのよと思っております。煌びやかな銀座のボトルでも洗い流せない、深い下水道に澱んでいるもの...。


希望をまた生み出せるとか、下水道の側溝にいるものを救い上げて美しくできるとか、そんな自信なんてまるでない。もうできないかも知れない。それでも歳を食ったせいか、トラブルが常の会社に入ったせいかな、未解決な問題に囲まれて、保証のない不安な中をテキトーにヘラヘラ乗り切る無駄なメンタルが備わった気がします。ああクソッタレ外資ライフ。

Self Care

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怪我炎症に悩まされし一か月で生きた心地がしませんでした…解放された今日、一か月ぶりに娑婆の空気を吸った気分ですよ。ベッドに転がってネットフリックスを見てアグレッシブ列子を見るだけの土日…。週が明ければ襲い掛かる重い業務…ぎゃーーー。

 

不幸の始まりはささくれでした。気になってべりっとやったことをきっかけに、爪周りが炎症する「ひょうそ」とやらになってしまったらしい。見た目はなんちゃないのに、痛いのなんのって…ちょっと触れただけであーーーーーーーっと叫びたくなるくらいの痛みが奔る日々…。毎日アロエを塗ったりターメリックを塗ったり抗生剤を塗ったりはちみつを塗ったり思いつく限りのことをし、そろそろ痒みに変わってきたかしらという頃にジムでダンベルを挙げたら突如患部が破裂して解放された。ありがとうダンベル。ようやく健常な日々・娑婆へリターンだ。

 

…と思いきや、今度は足をやってしまう。あれよあれよという間に腫れあがってゴルフボール三個飼っているような状態になり、歩く、座る、しゃがむといった日常動作に激痛が伴うようになる…。骨折も病気も人並みにやってきたつもりですが、今まで経験した痛みの中で最もつらかったですぅ…。生活に支障が出まくりましたからな…。

 

痛くて座れない時には「どうしてこんな目にあわなきゃいけないの!!!!!」と思わずキレてしまいましたね…。そんな私の体をヨメヨメが踏んづけて足元で寝始める。痛くて動けない私は吸うこともナデナデすることもできない。まったく冷酷な女である。

 

しかも最悪のタイミングで先日Swedenからの貨物がトラブルで取引先のオフィスに着いてしまって、彼らのオフィスを使って取引先とMTをしたり、出荷作業をしなければならなくなってしまった…。どうしても歩けるようにならない…そうでないと動きが不自然過ぎて「ちーっす!もしかして痔っすか」的な疑いをかけられてしまう…嫌だ…やばい…

 

もうこうなったら仕方がないメスでも針でも受け入れようと腹をくくって病院の予約したところで!ひっくり返ってベッドで働いている時に無事勝手に患部が破裂したらしく、解放。今度こそ娑婆へリターン。一か月の間に何回患部を爆発させているんだろうか。腫れって爆発すると嘘のように痛みがひきますね。私はもうネットフリックスのムショへは引き返さないぞ。

 

そこで久しぶりに自由に歩ける喜びをかみしめながらカルディで値段を気にせず欲しいものをひたすらカゴに詰め込んだ結果が写真でございます。何年分だよ。

 

も、文字にするとあまりに馬鹿馬鹿しいんだけど炎症している間は深刻でございました…。今日はcelebration. 久しぶりに人心地ついたー。 

 

仕事のハイストレスさと脆弱さと。バランスは難しいです。命を削る価値など、他者にあるだろうか。そんなことを言えてしまうのは、愛を持てるように生まれついていない所為だろうか。南無…。

 

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💛最後のLike thatで本気を出してくるDoja。スター性に満ち溢れている…。

それにしてもセットといいダンサーといい、USAのエンタメってすごいなって毎回思う。

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貿易の苦労を考えてみる

かれこれ半年以上こちらのブログで好き勝手劇場を続けてきたのですが、機種変更をしたところLINEのタイムラインがVoomとかいう謎の機能にupdateされていて大混乱でした。見てみたけれどきちんと友人が反映されていなかったようだし、どういうシステムなんだろうね。

 

悲しいかな、この年になると姓が変わっている方も大勢いらっしゃる上にそもそも我々アウトローな女たちは基本的に人間関係がインスタントで、嵐のように集まっては嵐のように解散して連絡先だけが増えていくのが有りがちなパターンなので、もうマジでどれがどなたか分からないことも多いのですよね。そこで、これを機に初心に戻って真面目にTradingについてでも書いてみることにする。

 

外国と取引するようになってみると、上手くいかないのが常・遅れや不良があるのが常で、私も既に感覚が大いにマヒしてきています。納期は思いっきり過ぎてるのに不良の対応もしなければならないという二重苦で進んでいくのが当たり前なんですよね。そこで解決の障壁になるのは、やっぱりなんといってもビジネスカルチャーの差でしょう。

 

世界の各会社さんそれぞれ個性はあるけれど、やっぱり日本人の思うdelayやdeviationと彼らの考えるそれの間には埋められない差が広がっています。何を遅れとするか、何を不良とするかの感覚がまったく異なる為、解決に向けてどれだけ協力してもらえるかは関係性・コミュニケーションの妙次第なところがあります。

 

あなたの理屈が正しいけど、でもね…という交渉が多いかな。厳密にツメて強くでることも勿論あります。外国人相手では理詰めで、emotionalじゃない方がいいことも多いからね。客とメーカーの温度差がすり合わなかった場合、ある程度商社の我々がそのギャップを埋めるためのコスト負担を被るので、そこは大きなリスク、苦労だと思います。いやもうね、謝りっぱなしになる上に商社だから直接的なことは何もしてあげられないじゃん?辛過ぎてよくうわーーーーーヨメヨメーーーーーー!!って猫をちゅっちゅしに行ってるよね。仕事中。

 

多くの海外の会社は本当に日本人と比べるとクールで実際的・合理的…。製品が使えるか・使えないか、遅れたことでシリアスな問題はあるのか、そもそもその業務が契約に織り込まれているか・いないかで考えますので、図面と一文字でも違っていたら文句を言うような日本の顧客は理不尽で無意味なSpecial requestをするmonsterになってしまうわけです。日本では正確さが常識で正義なのに、完全に真逆になっちゃうんだから凄いよね。

 

最近は私も小うるさい日本の顧客から「・」の刻印のあるなしとかどうでも良いことをつっこまれると「おまえそんなのネームペンで書いとけよあほか私が書いたるわ」「急いでるならそれくらい無視して早く使え」と返信しそうになるのでダメよ…あなた順調に外資の宇宙人になってきてるわよ…と諫めています。でもやっぱり日本人の感覚がズレてる、おかしいと思ってしまうのが私のどうにも変えられない本心で、まあそんなんだからこの道を選んだんだしょうけどねん…。

 

特に今のように世界中がCOVID-19で混乱していれば急な価格高騰も納期遅延もある意味常識、天災みたいなものですので、どうやら世界の人々はそれを前提に折り合いながら進めていくのですが、日本人はその点まったく譲歩・理解がありませんしね。

 

こうしてみると、日々の貿易の苦労はどのメーカー、どの顧客の案件かによって随分違うなと思います。それなりにやってくれるところもあれば、全然どうにもならないところもある。お互いの限界を話し合って歩み寄れるお客さんもいれば、てんでどうにもならないお客さんもいる。全然どうにもならないメーカーに数億ドル発注して管理しなければならないこともあるし、評判の悪いChinaが実は一番融通を効かせて助けてくれたりも。

 

しかし、そんな中で私がもうひとつ思う大きな貿易の苦労は、複雑なプロセスをすべて文字・頭の中で進行しなければならないことなのかな、と思います。現物を見て、現場にいて、物が動いている様を実感できないにも関わらず、巨大で複雑な取引をしないとならないんだよね。BiddingにはBiddingの、受注後のShipmentにはShipmentの細かい管理が必要ですが、究極、どんなに写真を見たってやっぱり私の仕事は文字なんですよね。コンテナで何本運んだ~!とか言っても文字だからさ、しんどいわりに喜びがねーなとは思う。

 

あとは親会社が向こうというイメージしやすい苦労かと思います。まるで違う考えをもった方々が上にいるからね。

 

私が新卒で地方のダメ商社でなんちゃって輸出担当をしていた頃、貿易会社の方の話を聞く度に格好良くて、スケールが大きくて、なんだか凄い雲のうえの人たちに見えていたものです。ですから、今一応、自分が昔あこがれていた世界に拾ってもらえたというありがてぇ事実をたまには謙虚に思い出さねえとな、と思った次第。思い出せば少しはこの苦しい日々の慰めになるかry

 

 

徒然

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退職について思い悩む一日は本当に人の心臓をぎゅっと締め付けて命を縮めてしまうような辛い一日だよなあ、と思う。退職の二文字がリアリティを増した瞬間に仕事諸々が己の生殺与奪の話として認知されるせいで、普段は眠っている損得勘定がフル回転するせいだ。(笑) 

 

職業上の悩みや変化って実際は後ろ向きな機会ではなくて、コインの表と裏の様に自分らしいライフスタイルやキャリアを模索することは幸福へと繋がっていく筈なのにね。その前向きな探索の余裕を奪うのがブラックな環境というものなのかな、と二社目にして薄ぼんやりと悟りを開くのであります。

 

実は先日までは各国のristrictionを見て「退職後の再留学という選択肢すら与えられていないのか!」と結構ショックを受けていたのですが、最近はMaltaを含め緩和する国が出てきて、行きたきゃ行ける状況になって、しみじみ年を食ったなあと思い知らされています。なんの躊躇いもなく行けたんですよ、二十五歳の頃でしたら。(笑) 海外就職は三十歳になるともっと怖くなるよと海外転職エージェントにも言われたっけなあ。本当よ。信じられないくらい変わるわよ…いろいろ…このいろいろが厄介…。良くも悪くも、単純に語学留学に価値を見出せる気持ちやライフステージではなくなってくるんですよね。あれから五年だけ婆になり、向こうの会社の感覚なども学びつつ、これで良かったのか悪かったのか。気障な会社に教わったワインが届いたので飲んでいます。

 

 

ジャパンでロリータを読む

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ロリータって、まさか"あの"?

 

地元の図書館で一際存在感を放っていたタイトル。見るからに重厚な本を見つけてからいざ手に取るまでには、長い年数がかかりました。それを読み解けるほど、成熟していなかったから。

 

 

タイトルの元になったナボコフのロリータは、大体どの本屋に行ってもドストエフスキーカミュと並べられている不朽の作品ですね。


小児性愛者の卑劣漢ハンバートと、最初こそ彼を以て遊びながらも彼に保護されるしかない状況に陥ったことで不幸にも彼から逃れられず、搾取されるロリータの滑稽で残酷な物語...。

 

子どもにはませたところも狡いところもあって当然で、大人はそんな振る舞いを笑って無視してやるべきなのだろう。が、パワーバランスを利用してロリータを我が物にしようとする小児性愛者のハンバートの前では、そんなロリータの奔放な振る舞いは女から男に対する誘惑に映っているのです。

 

だから彼の中ではフライパンで焼かれて苦しいのはあくまでも自分であって、逃げ道も選択肢もない子どものロリータではないのですね。The 加害者心理って感じだよね〜。

 

おい、日本の腐れロリコン共、全員しっかり読んでおけ、ムショに入る前にな、と言いたくなるような筆圧のある一冊だ。

 

 

だからこそ、「テヘランでロリータを読む」というタイトルは当時かなりのインパクトをもって迫ってきました。

 

まさか、イスラム圏であのロリータを読む?!?!

 

いつ読み終えたのか気にかかって読書メーターで調べてみたら、丁度留学に出る二週間前でした。わーなんて良い時期に読んだんだろう、それ以上の時期なんてなかったはず!幸運だったな、としみじみ。


それは頑固なイスラム社会でヴェールの着用を拒否した教授と女性たちの読書会の物語で、メンバーの救済は遥かなる大国への留学と結びついていくから....。(それがやるせなくもあるんだけど。)

 

 

 

......そんなイチオシ本「テヘランでロリータを読む」がこの度文庫化されましたので騙されたと思って読んでみて下さいませ。(長い)

 

 

私の知る限り、日本でお菓子みたいなパッケージのライトなフェミ本が流行りだしたのは、韓国文学やフェミが盛んに入ってきた数年前からだと思う。シスターフッドとかいう言葉が馴染んできたのも恐らく割と最近で、この国でそんな現象あるの...?違う世界線で生きてる...?って思ってた。

 

近年は日本のエキセントリックな左翼とかフェミもどきみたいな人たちがもう嫌で嫌で仕方がなくて。そうか日本で出てくる次世代のメインを狙うオルタナって、やっぱりこの程度の人たちなのかなあ、みたいなね。

 

大したアクセス数ないからってもうスンゴい自由過ぎる言い方してますけど。汗

 

 

そんなdesperateな気分の中でも、テヘランでロリータを読むの女性たちは日本にも勝る強い抑圧のなかで戦っていて、凄くパワーと勇気をくれる。と、思うなあ。

 

 

 

ああ...明日になったら上司がエボシ様になってますように....。そして二十四時間ネコをちゅちゅちゅしていたい....。