Enter The Void

最近はジャズとちひろさんに夢中です。

晴耕雨読

早速縁切り寺の呪怨のご利益があったのか、あれから間もなく会社のパソコンが故障してデータが吹っ飛びました。なんでも突如ハードディスクが壊れたとか…。

 

無論社内のデータはサーバーに保管されているが、私が個人的に整理していた情報や個人のEメールのデータはぶっ飛んでしまった。さよなら、私の四年間…。入社して初日に海外支店に入社の挨拶のメールをして、色とりどりの(それもドギツイ、ピンクや水色。)メールの返信が可愛いフォントで届いた時の涙が出てくるような若い感動の記録も、消えてしまった。

 

思えば入社前の手続きに関する簡単なやりとりを会社の人としていた時、社員さんのメールが青字だったのでイチイチ返信の際にそれを黒に変えながら「なんで青なの?!イチイチ黒に直さなきゃいけないじゃん!」と思っていたことが懐かしい。「メールは黒でなければならない」と思い込んでいたのだ。喪服でもあるまいし、何色だろうと内容に関係ないのにね。今でも型抜きおにぎりみたいにリクルートスーツを着た子たちが街に溢れてるもんなあ。他の社員さんたちも口を揃えて言っているが、多分、我々の誰もとても日系では幸福にやっていけないだろう…。目的よりも、浪花節や形式を重んじる国では、きっと…。長い迷路が再び始まった気がしております。

 

 

それにしても、なんとかもうすぐ夏休みだ。

私はもう二年連続で青森まで青春切符で大冒険に行って呆れられているのですが、今年は母が「一生に一度は五能線に乗って恐山も見たい」ということで、上に渋い顔をされながら無理に仕事の休みをとったという。そういうわけで、三年連続で青森行きが決まりました…もう夏のルーティンやな…。水戸を超え、いわきを超え、仙台に辿り着いてまたトコトコなんとか鈍行で盛岡までたどり着いて、でっかい駅の前で煙草休憩をとって、雨で直ぐに止まる花輪線で大館までたどり着けるのかハラハラして…この無駄な長い旅程もすっかり愛してる。愛してるぅ~東北ぅ~。

 

それに、青森と言えば太宰治の出身地。五所川原を越えて津軽鉄道に乗ると、金木に彼の生家がある。だから、毎年夏になるとなんとなく東北出身の作家の作品でも読んでみようかという気になって、近頃も太宰治の作品をよく読んでいる。戦争で狂信的になっている時代を彼らしく見つめた文章も多く残っていて、彼は「人間失格だ無能なんだ」と酒を煽っているけれど真面目で純な感性をもった人だったんだなと意外に思いました。世間では、なんちゅうか、人間失格が流行り過ぎた所為で「自意識過剰で、若いやつむけの文学」くらいのイメージになっちゃってる気がするんだけど、全然違うよね。

 

でも、大地主の大豪邸に生まれついた彼が己を「百姓」と自負しているのを見ると、流石にひっぱたきたくなるよね(笑)金じゃなくて、東京と言う文化資本の高い気取った大都市のムードと比較して「自分は結局は田舎もんの百姓」と叫びたくなるんだろうけど、あんた、地域の人からしたら特権階級だよ…。ちなみにその出自の反動で左翼・共産主義に染まったこともあるそうですね。意外だったわ。

 

ということで長くなりましたが今年は金木の斜陽館に行きます。

 

相変わらず料理をして、畑で収穫して、何度誓っても酔っぱらって大量に本を買う悪癖が辞められない私は、何処か太宰治のダメダメっぷりに慰められています。

Next!!

土曜日の縁切り寺。悪縁を絶ち、良縁に恵まれますようにと祈る!

 

会社と個人の関係には確かに損益分岐点があると思う。それは会社にとってはその社員への投資が利益を生んだタイミングのことだし、個人にとってはその会社で働き続ける機会損失費用(=デメリット)が、その会社で得られる経験・給与等のメリットを上回ったタイミングのことだと私は思っている。そしてどうやら私はその損益分岐点を思いっきり通過してしまったらしい。私の将来に、ここでのこれ以上の経験は蛇足だという見切りがついたのである。

 

金曜日。私の働くエリアは何気にランチ激戦区で、夜はそこそこ高級感あるレストランへ変貌する飲食店達が1000円でコスパ最強メニューを出していたりする。茨城では倍以上するよ、というかこんな美味しいもん食べられないよ、と田舎者の私はビックリしちゃうのだが、外国人を接待する所為か弊社はキザでグルメな人々ばかり…。会社もメシにだけは経費をはたいてパーッと金をだす。そういう社風が最初好きになれなかったな~と懐かしく二十代を振り返る…。あっという間だったね。

 

さて、今回はそんなメシにうるさいパイセン達が大好きで通い続けている店の夜営業に初めて行ったのですが、いや流石高いだけあって驚くほどおいしかった…。

 

こんなお洒落な場所で何を話しているかというと、新社長に対する罵詈雑言でクズだのカスだのウンコだの凄い勢いでまくしたてているという…。真面目な話、「これは愚痴りながら頑張れるという次元では到底ありません。社員からでる彼の印象に対する公約数は一致しており、大問題ですよね」という状況になっている。どうするんだろう。

 

そんな風にぎゃーぎゃー言っている最中で、突然偉い人が「こっちに異動しない?」と提案される。ぽかーん。その後、酔って顔を真っ赤にしながら一方的に異動を推されて「あ~こういうことばっかりだから嫌なんだよね~!」と思わず感じてしまう…。

実際、この話には良い面と悪い面があって、話の裏側は「Aさんがこっちに来るのは絶対に嫌だから、言いなりにしやすいお前が欲しい。その方が俺は楽」ってことなんだよね。(笑) 消去法。お互い思惑は白黒あるもんだよね。

 

そのメンバーは気心知れて話せる人たちだったから、私の離職への思いも改めて打ち明けることにしました。すると、ある偉い人が「はるちゃんはね~そう、結局はきっと辞めるの。十年は続かない。何故ならきっと新しい夢を見つけるし、それを叶えられちゃう子だから」ってすごくはっきりと、優しい目で言ってくれたのよね…。

 

今思えば笑っちゃうんだけど、アラサーになって夢を叶えてこの会社に巡り合ったもんだから、まさか再びこんな苦しいブレや危機を繰り返すなんて思ってなかったの。(笑) ここ1、2年は内心この地獄のトンネル永遠に明けないの?永遠に答えでないよ?!って心境で。誰にも会う気しなかったし。

 

最近になってやっと誰もが何度も人生の変化の時を通って脱皮するんだってことが理解できて、「なんだあんなに深刻になってたけど、当たり前のことだったんだ!」って気が晴れたんだけどさ。ようやく顔をあげて新しい夢に向かって猛勉強するか~と思えていたところだったから、もう偉い人のその言葉がクリティカルヒットで、最後の一押しになった感じでした。Thank you so much.....おらぁもう後悔ねぇよ。ただな…

 

 

先立つものは金。あと100万は貯めたい。OMG!!!

 

 

 

夜明けは遠いね~。

 

その偉い人が最後に「なんだかんだオモシロかったな、って思ってくれるといいなあ」ってこれまた優しい声で言っていたのも忘れられません。

 

尊敬できる人たちに出会えて働けて、良かったなあ。Great experienceをありがとうAmerican Company. もう少し、最後まで夜露死苦!!!!

 

Strange Days.

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庭で採れた玉ねぎとイタリアンパセリ、バジル、いんげんを使ってスープを作る!今が一番家庭菜園が楽しい季節ですので、畑のスペースを空けたくて一気に玉ねぎと生い茂っていたミントを収穫したのですが、お、多すぎて消費できない.....。近所に知人達がいたら収穫祭頻発してたわ。昨年はモロヘイヤ地獄で家族みんなノイローゼだったよ...。

 

自給自足の方ってどう収穫量や消費ペースをhandlingされてるんでしょうね?!

 

今年はスグリ、パパイヤ、オクラ、ズッキーニ、ネギ、ニラ、枝豆、いんげん、きゅうり、トマト、ミニトマト、ゴーヤ、茗荷、万願寺とうがらしに鷹の爪、パプリカ等が植わっております。今年は果樹せめたい。

 

田舎には、都会の方々がお金と時間をかけて手に入れたがる天然の幸があふれていますよね。森林や美しい田畑、安くて新鮮な野菜が手に入るこの環境は当たり前じゃないんだな、と有り難さを感じる。Mad cityのボロ家での都会暮らしとのギャップ。

 

仕事のぼやきでは、Shanghaiの絶望的な状況が回復して物がスムーズに動くようになったのは良かったものの、米国の案件では非常にseriousな遅延が続いていて、私だけではなく皆んなにとってマジでツラい日々が続いている。胃に穴が開かないのが奇跡だそうです。

 

しかし、海外の姿勢としては"世界情勢に伴う不可抗力の遅延に対して理解のないJapanは合理的ではない、教養のレベルが低い"という見解にどぅやらなってしまう為、断然は続く.....。双方もっとしっかりしないといけないなと思うよ。

足して二で割ったら丁度いいのに。

 

 

 

最近は不思議なくらい鮮明な夢を見ます。

 

先週なんて彼女ができる夢を見て、起きた後ァアアァアアァアア夢オチィイイ?!って丸一日喪失感と悔しさに転げたよ。あの人はどこ...。

 

もう夢見たくねぇえええええ!!!幸福から地獄に突き落とすんじゃねーーー!!!!!

 

その次なんて、謎の男たちにヨメヨメを奪われて"吉原に帰らなくば猫は返さない"って言われてヨメヨメと引き換えに南千住に帰るという謎過ぎる設定の夢まで見たからね。どういう設定?

 

男たちが渡してきたヨメヨメのぶちゃいくな顔は、まるで生きているみたいに鮮明で愛しかったのであった。

 

ところで、残念ながらLine Voomになってから友人に投稿が表示されなくなってしまったようですね...メカニズムは分かりませんが、恐らくアプリをアップデートした方には表示されないようです。。(guess)

翔んで茨城

田舎の娯楽。それはパチスロとイオン。以上。

 

※最初にDisが激しすぎることをお詫びしておきます。この文章はフィクションです。実在する団体・人物には一切関係がry

 

 

見渡す限り田園、たまにコンビニまたはパチスロという悲惨な田舎で育った私ですが、引っ越しを何度か経た果てにかれこれ十年以上陶芸の街に暮らしている。決して開発されていないけれど、茨城のKyotoと呼ばれているとかいないとかで、ギャラリー風の個性的な店がひしめいているのは本当に素敵だなと思っている。(実際は恐らくそんな呼び方をするのは20名に満たず、"町内会"のじじばば限定だと思っている…。)

 

しかし、残念ながらそんな町でも御多分に漏れず半径2km内に3~4件のパチスロが存在しており、朝から満席になるのが暗い現実なのだ。何がそんなに人々を夢中にさせるのか…。

 

私も…人生で一度は…パチンカスを経験してみたい…!!茨城県民として、パチスロを一度もやったことがないなんて!茨城の本質(=ほかになんの魅力もない)を経験していないようなものではありませんか!Let's go!

 

いざ向かったパチスロは思った以上に広々として清潔だった。だけどやっぱり台はめちゃうるさいし、THE・茨城…ではなく、THE・パチンカスみたいな人相の民ばかりだし、怖いし、謎に禁煙だし、玉の出し方すら分からず泣きました。見かねたスキンヘッドの怖いおっちゃんに「そこ。」とだけアドバイスされる。どこ?

 

ようやく玉が出てきたと思ったら「ピーッ!!左打ちに!!!戻してください!!!」を延々と、延々と繰り返される。左打ちってなんやねん。なんのことやねん。こんなにけたたましくアラートを鳴らされたら、いつ隣のおっちゃんがキレるかもわからん。ママーーー怖いよーーパニックで店員を呼びました。お金を払ってこんなに苦しむなんて…一体どういうこと…。

 

 

幸い私はパチスロにはまることはなさそうだ。

 



全く話は変わって、最近も相変わらずNさん(わたくしの8歳上・一児の子もち・誰からも好かれるキャラクター・Global Standardな美形・なのに趣味は妄想。何故…?)に良くしてもらっているのですが、私の退職について彼女がいつまでも心配してしまいそうな予感がしたので、これは~~~何か手を打っておきたいな~~~!!と思い…すっ飛んだcoming outをしました。ネガティブな理由で退職しないか心配して下さっているのをひしひしと感じたので、

 

「本当は破天荒なのに無理やり自分を縛り付けて会社員をしてきたので、もしかして突然無色になってAfricaで裸族になりたくなってしまうかも知れません」

 

と告げてみる。すると…

 

 

「今しかできないことだから~~悲しいけどはるちゃんの選択を~~尊重するよ~~😢」

 

「裸族になって情熱大陸に出演するはるちゃんも楽しみだな…」

 

 

と予想を超えたマジレスがきました。マジかよ。通っちゃったよ。

 

私に文章力さえあったなら、「弊社のNさんシリーズ」ウケてたかも知れないと思っちゃう。昔から人の話を真に受ける天然な人は好きにならずにはいられません。(笑)

 



これで晴れて退職の際にはあいつは裸族を目指して遥か西へと旅立った…ということになるのかも知れません。



心配や、後悔や、呪いを残すよりずっと平和なfantasyだと思う。


離職はいつだって旅立ちで、悲しい理由ばかりではないのだから。

私はこのメタファーを、fantasyを、ちゃんと育てて守ることにしよう。

 

 

あいつの魂は自由な裸族だったんだ…それなら会社との別れは仕方ない…そうだろ…?

 

 

綺麗な裸でTVに出れるように頑張りたいと思います。

たられば

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GW中は丁度客人もあって沢山料理ができました。夏野菜を植える季節がきたので、今年も畑には色々な子が植っています。早くパクチー育たないかなあ。

 

最近は心身症対策で遂にストレスホルモンを止める抗うつ剤の一種を処方されちゃって、そのせいかイヤに怠くて眠くてねぇ..。

 

鋏は使いようですので、生活のpriorityに合わせてその障害を取り除く手立ては上手く活用すべきだと思います。

 

しかし、私の医師は簡単に薬を処方しない誠実な方でしたので、寧ろ私はそうケチらないでどんどん出せるものは処方していただいて利用したいと考えていたのですが...。

 

連休明けの前日に一向にさざえさん症候群が訪れないところをみると、相当directに薬が脳に作用していることを実感してひぇっ、やばくね...??と効力に慄いている...(笑)やっぱり薬ってeasyに使っちゃいけないんだねえ...。良い医師で良かったー。なるべく自然にホリスティックに頑張りたいですよね。

 

そういえばGW初日は近所のショボショボ映画館にナイトメアアリーを観に行ったのですが、なんと貸し切りでした。今なら

!!キャーーー!!!!!抱いてーー!!!!!とか言っても赦されるのでは?!?!叫んでも誰も聞いてない!!!ヒューー!!!とテンション上がりましたが、そこはちゃんと三十路の淑女として慎ましく退席しました。チッ。

 

秘すれば花と言いますが、私は誰に邪魔だてされようが自分の秘密の花壇に水をやり続けたいですね。合致しない縁はしがらみ。不要なのです。

 

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エレクトラコンプレックスって言葉、悪いけどこの映画ではじめて聞いたわ...。大学で四年間なにやってたんだろうか...。今なら経営学か、国際関係か英文学とか専攻したかなあーと言う、たられば。

真夜中の悪夢のドライブ

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学生時代、空手の師範が厚意で部員たちに「夜警」という名目でアルバイトをさせてお小遣いをあげていた。なんでも立派な神社の片隅にある一室で「寝ないで勉強でもしていなさい!」というだけの、カンタンなお仕事である。いくら立派な神社でも必要不可な役どころとは思えないし、それこそ警報サービスを導入するなりプロを雇うなり色々なやり方ができたことを思えば、あれは師範なりの学生応援事業だったのだと思う。

 

どんなことでも人の役に立つ仕組みを考えて提供できるだけの資本がある人達ってマジで凄いなと思う。今私がいる外資のmoney moneyの世界が時折虚しくなるよなあ。良いことしてる人たちを見るとね。もうこいつらのポンコツマシーン売って金を稼ぐことなんてどーーーーでも良いわ飼い猫幸せにしてあげる方が全然尊いわって思っちゃうもんなーーーーーーー。(危機)

 

日本人は良くも悪くも全てに精神が宿っちゃってて、「合理的なつもりでそれ、実は義理人情道徳の話ですね…ガイジンにそれは理解できませんね…」みたいなことがよくある。(笑) この間に入って満足してもらうの本当に大変。しょーじき今でも何年輸入品買っててそんなこと言ってんですかいい加減世界と調律を合わせてください!!!って呆れちゃうことがある。その反面、欧米風の合理主義の仕事って精神性がなくって正義も倫理も思いもないことが多いから、日本人からすると虚しいんだろうな~。何年やっても引き裂かれるね。会社の先輩が「日本人は無宗教の筈なのに最も宗教っぽい。おてんとうさまが見てると思う人たち。」ってシミジミ言ってたの思い出すよ。

 

そしてseriousに円安が心配な最近。外貨預金しないと積むかもと思ってずるずるしてるうちにとても外貨買えない世界線になっていた…。USD/126って、え?ちょっと待って、それEUROではなく?????通貨間違えてる????だよ。皆様に生意気にも言いたい。お互いいつか外貨買っておきましょう…。日本が弱るほど通貨も弱くなるでしょうからね。韓国・マレーシア・中国とか良いんじゃねーかな。

 

あれ、気づいたら導入に千文字くらいかけてる…導入が本題みたいになってる…私が今日書きたかったのは夜警をやってた時からモンスターを何本飲もうと眠いものは眠い何をしても眠い何をしても自分は絶対に眠気は飛ばせないということを知っているのにも関わらずNightmare Alleyが見た過ぎて車で一時間以上かかる映画館でレイトショーを観てしまったサイコーだったという話だった。

 

昔からエドワード・ホッパーのアンニュイな絵画の世界みたいな、それこそ遅くに映画を観た後にドライブして道中のくすんだbarやdrive inでハンバーガー齧ってモーテルに泊まる…みたいなことに凄い憧れていたんだよね。しかし現実は悲惨でマックが時短の今 日本の田舎の路上には精々牛丼屋とラーメンしかないことが分かって泣きましたが、肝心のナイトメア・アリー自体は人生で一番面白かったかもというほどショッキングな映画でした…。

 

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Outlineとしてはワケアリの、過去を燃やして逃げてきたような青年が南西部の奇怪なサーカス(見世物小屋)に辿り着いて、偶然獣人のショーを観るんだよね。Is he man, or beast?果たして彼は本当に獣人なのか、人間なのか?と場を煽り、ボロボロの獣の様な人間ににわとりを与えて観客の前で首を食いちぎらせる。そういう恐ろしい悪趣味なショーをやっている一座。青年スタンはそこで単発の仕事を斡旋されたことをきっかけに一座に入って、読心術という高度なペテンに出会う。

 

読心術は人の心が読める、死者と話せると嘘を吐いて人の最もdelicateな部分を弄んで大金を稼ぎだすペテンだけど、そうして人々に嘘を吐いてスポットライトを浴びるうちに、いつしか嘘が真実に思えてくる。やがて自分は本当に真実を言い当てられる全知全能の神だと思うようになり、最後は人の心を失ってしまう…。一座で読心術のプロだったピートも、今では酒に溺れて潰れてしまっていた。

 

ワケアリ青年のスタンはこれで遂に自分にも取り柄ができる、過去から抜け出せる、と異常な執着心で悪魔の技を盗もうとピートに弟子入りするんだけど、その恐ろしさを知っているピートは決して伝授しようとしないんだよね。しかし、ある日スタンはピートのすべてのワザが書かれた秘密のノートを盗む為に、彼を密造酒で殺してしまう。そして人の心を弄ぶ悪魔のスキルを取得して都会でショーマンとして大成功し、どんどん悪事に手を染めていく、という話なんだけど…。

 

いや凄かった。これはどういう話?と聞かれたら困っちゃうくらい濃い話で、一人一人の人物が持っているストーリーが濃いのよ。 

 

ある日スタンのペテンを見破る心理学博士の女性(ケイト・ブランシェット)が現れたことをきっかけに、彼女のクライエントである時の権力者の個人情報を彼女から聞き出して、読心術にハメて高額を引っ張り出すという危険なことをするわけ。スタンはリッター博士との出会いから人の心を更に失って、欲望に塗れて身を滅ぼしてしまうんだよね。その姿がとても恐ろしい。

 

ナイトメアアリーの広告を観た時はルーニー・マーラケイト・ブランシェットが再び同じ画面に収まっているとかキャロルの再来???今度は結婚???とすげーテンション上がったんだけど、ケイト様大好きな私でもトラウマになるほど心理学博士のリッターが恐ろしい、歪な人間だった。あのハスキーでエレガントな発音(ちょっとブリティッシュっぽく古風に聞こえる)と立ち振る舞いをみていると幸せですけどそれも吹き飛ぶレベル…。

 

人の心を弄ぶ者同士、自分も相手も二重三重に騙さないと生きていけない者同士…ということで彼女はスタンに惹かれたんだろうな。そういう彼女の揺れとか弱さを読んだスタンがリッターを利用しようと男として誘惑するのも本当にぞっとするし、読心術のペテン師と心理分析のペテン師同士の騙し合いと本音が入り混じったコミュニケーションとか演技とかマジで凄かったよ。

 

兎に角ぞっとするようなsickな人々が他にもわんさかでてきて、スリリングです。私が一番怖かったのはスタンが破滅する一番のきっかけになった妻子を失くした大富豪のサイコだな…。もう人間が生理的に受け入れられないsickさのオンパレードって感じなの。

恐らく過去に自分で妻子を殺しておいて、妻子を失ったことに病んでいるつもりで妻子の幽霊に会いたがってスタンに大金をはたいているというだいぶやばい男。

人を躊躇いなく殺しても許されるだけの権力者という設定が爆弾をハラハラみているような気にさせられて、彼の恐ろしさに拍車をかけていた。所謂「石油王と同じエレベーターに乗るな」だよね。

 

最後の最後で「そのせいで若い女性を次々に傷つけていた」と彼がついに告白したときにスタンが思わず後ろに飛びのきそうになるくらい怖いものを見る目になるんだけど、あれ観客の気持ち…。死ぬほど罪悪感にはさいなまれているくせに、自分が犯した罪を心から受け入れないでただ病んでいるのが気持ち悪い通り越して恐ろしい。スタンが彼を殴り殺したときスカッとしました正直。。。

 

登場人物のSickさ、ノワールからして若い子にはショックが強すぎて落ち込んでしまうと思うのであまり観て欲しくないのですが、25歳以上の方には絶対観て欲しい~~!!!

 

…と、金曜日は怖い映画を観た後に台風ムードの中運転して帰った。

家に帰ったのは一時過ぎだったけれど、新鮮な体験だったな。

 

大混乱

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某国のLockdownの影響で、かつて経験したことが無いような輸送危機がおきています。そして、特に米国ではかつてないレベル(一年)のmaterial shortageによる遅延も。どちらも万策尽くしても打つ手無く、三者三様に頭を悩ませているようだ。

 

あ、写真は私を朝メシに食べようとしている猫です。朝起きたらこいつが見下ろしてました。


ついこの間母と沖縄で泡盛ハブ酒を煽りアメリカンヴィレッジで中坊の様にはしゃいでいた筈なのに、那覇を出て本土に帰れば人と人が殺し合い、疫病が蔓延し、それでも会社と会社は融通を利かせることなく責めあっている嘘みたいな現実にあっという間に戻ってしまう。あんなコミュニストもどきの、十九世紀から何も学んでいないような独裁国家のせいで、罪のない命がかき消されていく。信じられないよね。せめて目先の命や暮らしを支えられるよう、我が家に数人でも逃げてきてくれないものか?といつも思ってしまうよ。

 

そんなこんなで相変わらず客と海外の板挟で半泣きなのですが、昼休みの僅かな時間にネコをブラッシングしてゴロゴロいわせた隙にちゅっちゅすることだけが癒し...。

 

昨日は浮世が辛すぎて寝る前に延々とアマプラでBGMにキャロルを流していた所為か、何故か今日は丸一日「あれ...?わたし昨日ケイト・ブランシェットマティーニとポーチドエッグをお洒落にいただいた後にホテルで香水をかけ合ってひとしきり戯れ合っているうちに不意に転んで顔と顔が近づいてしまい夢の様な一晩を過ごした気がする...????」ってなってました。

 

私もNさんを笑えないほど妄想してますよね。それも国が違えば十字架にかけられるか、投石で処刑されるレベルの...。

 

皆様も仕事が辛すぎて妄想しているうちに現実と昨夜の夢の境界線が曖昧になり毎朝勤務開始の十分前にゾンビの様な顔でベッドからパソコンのスイッチをつける、そんなアラサー女子にならぬようとっとと寿退職ッ...ではなく、ご自愛くださいませ。

 

Wish your lovely day. 

May the Force be with us.