なしくずしの死

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(少々ショッキングな記述かもですいません) 数年前、飼い犬の十三年の命の最後の瞬間。衰弱しきって静かに息をしていたところ、突如激しく痙攣が始まり、瞳がドロン、とルーレットの様に瞼の後ろに回った。陸に上がった鮪の様に、全力で抱きしめても到底抑えられないくらいに激しくハネた。もう夢中で人工呼吸をして胸を押して、遂にまん丸の瞳に光が戻らないのを見て諦めて泣きじゃくった瞬間。止められっこないのだが、時を止められなかったことに対するどうしようもない怒り、悲しみが残った。神に勝とうとしているようなもんだが、あんなに必死に胸を押したのに止められなかった、と湧き上がってくる虚しさばかりはどうしようもない。かわいいワンちゃんの死が、あんなに残酷で激しいとは。それに、誰が何と言おうと私はひそかに王様なのだ。たった一人、自分にとってだけの。

 

ネコの目はヘンテコでキレイな膜をもっている。

私の最愛のヨメヨメちゃんも今年で十二歳になって、日に日に白髪が増えていく。

寝ているヨメヨメに構いに行くと、細い目を開けた瞬間にドロン、と膜が開いて瞳が戻ってくる。あれを見ると心底ヒヤ~~~ッとするのです。飼い犬が死んだ瞬間を思い出すから。冷静になってみるとおかしいのだが「ヨメヨメ死んじゃダメ!!!!」とどうしても一瞬焦っちゃうのである。こんな悲しみを繰り返して人生を受け入れて生きている人たちは途方もなく強い。私は早く月にログアウトしたいところだ。脳みそにデータやアプリをインストールできれば、資本主義社会で絶え間なく勉強しなくても自動アップデートされるだろう。翻訳者も要らない。そうなったら国際競争の余地が亡くなって共産主義化しそうだ。手動でぱちぱちパソコン動かすなんて馬鹿げている。ああ、もうなんでもいいかな、古びた本と綺麗な南国さえあれば。バナナ...やしのき...マンゴー...チャンプルー…妄想はさておき。

 

その当時通っていた職業訓練校の仲間に「実はもう一度留学しようか悩んでいて」…と切り出したのは、飼い犬の死を目撃した前後だったかと思う。かなり躊躇っていたので、あの時皆様から背中を押して貰えなかったら今は無かったのかもなぁ、と有難く振り返るのだ。

 

恐らくPhilippinesは日本人の想像を軽く数倍超えた修羅の国で、殺人が数万円で銃が数千円だとか、そんな信じられない噂話もあるくらいだ。後から数名に確認したけれど、みんな本当だよと言っていた。私たちもびっくりするような高級モールのすぐ隣はslumで、道端に人が暮らしている。ゴミの上にハンモックを張って暮らしている人々や、何故か扉が鉄格子・床は土という不思議な住宅街も見かけた。学校の先生たちはみんなスマートでパワフルで、魅力的だったなあ。本当によく歌うし常に笑ってるし!いや、本当に店員さんみんな歌いながら働いているし!マニラの郊外は怖いこともなくて、凄く暮らしやすかった~。(※私はメトロマニラで犯罪にあって一命を取り留めましたが…)

 

そうしてシビアでハングリーな環境で頑張っている色々な人々を知るにつれて、少しずつ飼い犬の死を消化できた気がします。Philippinesは若々しくて生命力が凄い!衰退していく日本と違うね。アジアの熱気は。

大変でも道端で明るく笑う人々を見て、なんだ生きるってやっぱり素晴らしいな、と正負を引き受けられる気持ちになれたのかな~…。飼い犬だって、我々だって、例え苦しい最後を迎えたからと言って「生まれてこなかった方が良かった」「命は無価値だった」訳ではないものね…。(フィリピンで立ち直れた理由はまだうまく言葉にならないので、再訪した頃にはまとまると良いな。。)

 

うう、最近ほんとにたまらなく帰りたいっす。Philippinesは、甘ちゃんな私に大切なことを沢山教えてくれた忘れ難い国ですね。とか言って相変わらず甘ちゃんの私は沖縄病にかかって一か月置きに飛行機とっちゃって南国に逃げ込んでいるんですけどね…☆あとちょっとでフィリピンぢゃんって地図眺めてるよ。

 

最近仕事が終わるとすっからかんだから、なんにもする気になれね~って大体ジムにちょこっと行くか風呂に行くか相変わらず本を読むかでゾンビみたいで全然勉強できてないのだけど、だったら書いて息抜きしようかなと思ってツラツラ更新してみる。どうせアクセス少ないから怖いものなし…。いっぱい書く....。

 

物珍しい貿易のこと書けよって感じよね。多分、物珍しい貿易のことは同業者しか興味がないことに気づいた。(笑)もっと文化差を上手く伝えられると良いんだけどなと思いつつ抽象的な批判に終始している最近である。

 

なしくずしの死。