Enter The Void

最近はジャズとちひろさんに夢中です。

家族が連続で入院していたり(命に関わるものではありません)、仕事が非常に大変(インド、運送店、顧客と絶え間なく辛い電話をしています。来週もトラブル通話地獄となりそうです…お金が入るくせに働かない人を尻目に。)なことが続いていて、先日はちょっと思い切って平日につくばまで行ってみました。

 

つくばには素敵なブックカフェができたと聞いて気になっていたし!県南ならもう少しまともな本屋もあるはずだし!島崎藤村の春を探しに!それにそれに、都会にしかないいきなりステーキだってつくばにはある!...と、思い切ってドライブ。

 

「サッフォー」さんはとても素敵なところで、遂に東京でしか買えなかったような本がこっちに来たなあ、という品ぞろえです。「北関東の文化の砂漠の居場所になりたい」と、可愛い猫のロゴを袋に押しながらフラワーデモの書籍まで一緒に渡してくださった店主さんのムードにも元気をいただきました。あちこち寄り道してようやくレストランに入った時...

 

 

 

彼のニュースが舞い込んで参りました。

ご家族でもなんでもないのに、ごめんなさい、あの瞬間から、私も視界にも聴力にもディストーションがかかってしまう。暗い水中にいるかのようです。

 

若いのに、本当にしっかりしてて賢くて才能に溢れたおひさまみたいな可愛い男の子でした。まさか彼・彼女がいなくなるなんて、嘘だよね。もういないはずがないよね。市民には預かり知れぬ何かが、あったのかも知れない…本当のことは勿論分からないけれど...あんなピカピカの子に輝いていた子が、まさか、こんな理不尽に世間に傷つけられて、将来まで奪われてしまうはずないよね...。

 

 

信じられないよ。信じられない信じたくないという一心でスマホを見ると、知人たちがもう早速通知であなたの噂をしています。

 

 

身勝手だってさ、りゅーちぇる

 

あなたがこの日を選んで去ったのは、"わざと"だってさ、そんでもって、芸能人の自殺はひっぱられるわぁ、だってさ。

 

可愛いそうなのは、お子さんと子どもだけなんだってさ。傷つけられたのは、彼らなんだって。

 

それも、たった一人あなたの手によって。最後はあなたの自死によって、だってさ。

 

 

 

私はゴムみたいな牛肉を無心で飲み込んだ後、知人たちの言葉に二重三重にショックを受けて、駐車場から暫く出られませんでした。言い返しちゃいそうだったのよ、ノンケの傲慢な奥様たちに。

折角思い切ってつくばまできて、素敵な一日にしてもらったんだから気を取り直して帰らなきゃと、無理矢理自分を鼓舞しながら浮かんでくるのはあなたへの遅過ぎたラブレターばかりです。

 

偉大な子が亡くなったこんな局面で、要らない私の話混じりでごめんなさいですが、私も書きながら少しずつ整理したいと思います。あなたが結婚したのは、ハタチそこそこの時だったよね。若かったよね。きっと、すーっごく素敵な女の子に出会って、才能が引き寄せ合うみたいに伴侶になったんだろうなあ。二人はキラキラ、ぴったりだったもの。

 

同じくらいの年の頃、私はまだきっと自分だって男性が好きな筈だと漠然と思っていたはずです。そして、思えばぜんっぜん好きでもない人を好きだと言ったことだってあります。その逆だってあったかもね。

 

曖昧な、自分でもなんだか分からない時間を過ごすのって珍しいことじゃないらしいですよ。あなたは、自分にぴったりの男性に出会う前に、あまりにもキュートでぴったりな女の子に出会ってしまっただけじゃないかな。その後数年を経て、どうしても偽れない自分の真の姿に気づいた。いや直面せざるをせなかった。それだけじゃないかしら。こういうことって、実はゴロゴロしてるはず!なのに!!!

 

どんどん綺麗になって、「僕」じゃなくて「わたし」って言えているところを見て、いいじゃなぁいと勝手に思っていました。

 

私はあなたのことほんっっとに好きだったんだなあ、ファンだったんだなあ。こんなにりゅーちぇるは人の心を温めてくれてたんだなあ...。まさか。悲しいやりきれない信じたくない残念以外の言葉が、なかなかでてきてくれません。

 

みなまでサンドバッグにして言ってくださらなくとも、本人にとっての真実というのは、しつこく後ろから襟をひっかけてその人を逃しません。真実は、どこまでも追いかけてくる地獄です。それをなんとか色をつけて、アレンジして、ユーモアにしたり酒にしたりしてみながら、引き受けるのですよ。どこかでポキっといくかも知れないけどね。あなたなんかがわざわざ言ってくださらなくても、ちゃーーんとそれぞれその人自身の地獄の楽園にいますから、それを生き延びてるんだから、ご安心を❤︎、と、キザにやり返しちゃいなよと。

 

あてどない、おもい。

 

彼女の本当の姿は彼自身を追いかけた。どうしようもできなかったはず。幸せになって欲しかった。