Enter The Void

最近はジャズとちひろさんに夢中です。

缶詰とチューインガム

 

オフィスの改装記念に、本社からオリジナルグッズとI love NYグッズが大量に送り付けられてきました。巨大なcartonが7箱以上きたようです。最早courierではなくAirで運んだ方が良いレベルのボリューム!

 

※Courierとは、一般的に軽量な品物を簡易通関で迅速に輸送するサービスです。

 

ちゃっかり可愛い熊を持って帰ってきておいてなんですが、彼らはどうしてこうも自信たっぷりで「日本人にこれらを送りつければ喜ばれる」と信じきることができるのか、内心複雑な気持ちでいます。だって、立場を逆にしてみて、日本人がお祝いに「そうだ!アメリカ人にI love TOKYOグッズを送ろう!」と思うでしょうか?私はあまり想像がつきません。

 

I Love NYグッズを外国人に大量に贈る。これは、自分たちが世界の中心であるという自覚と自信の為せるワザのような気がしてなりません。私は思わず、「じゃあこっちは御礼にI Love MITOグッズを40FTコンテナで海上輸送してやろうか!嬉しいわね!」と思ってしまったんですけど、捻くれ過ぎでしょうか?(笑)

 

しかし、本当に、米国の会社で豊かな国と取引をしていると、日々「負け犬」の心境なのです。だって、私たち日本人がもう一度強者の気持ちを味わえる日は、恐らく来ないと思うし…。少なくとも、私たちの代では極めて困難でしょうし、今はもう過去の貯金で蝕まれつつある平和を食いつないでいるようなものでは?

 

特に最近は東京を歩いていると、まあ外国の方ばっかりですよね!得にハイブランドが立ち並ぶ銀座。新宿・伊勢丹。ありとあらゆる国の方がいて、思わずびっくりしてしまいました。(少なくとも、5年前は違いました。)

新興国が私たちを追い抜いていく象徴だなあとしみじみ感じながら、私は安い服を着て、通勤に疲れて、日々浮かれた彼らとすれ違います。この国に住みながら、この国に住む人にはなかなか享受できない富を、外国の方が愉しむ時代になってしまいましたね。出社の度に、大好きな街歩きの度に、私はそれを本当に辛く思っています。

 

もう日に日にミジメで辛くなってきているので、今日は思わず愚痴りたくなりました。(笑) 日々こういう落差と言うか格差というか閉塞感を感じているせいか、思わず時々、NYで活躍する千尋さんのことですら、見果てぬ豊かな国から届く、遠い、己とは無関係な高級な信号の様に思えて、聴こえなくなってしまうことがあるんです。

 

心が曇る時って、Wi-Fiが飛んだみたいだな。世界が灰色になる時、どんな音も映像も上手くダウンロードできなくなるのね。通信エラーだから誰も悪くないじゃん!と思っておきます(._.)

 

時々、若い日を思わず懐かしく思い出してしまいます。

新卒でちばらきで展開する地方の商社にいた頃は、研修では工場ででっかい紙管を粉砕したりしていたんですよ。紙管が機械から外れてガンガン落ちてきてケガしそうになったりね。言い方悪いけど、ゴミ収集よ!(笑)でも、そこの強面な兄ちゃん達には、仕事に関する大切なことを沢山教えていただきました。

 

多少世界が広がった今と、あの頃を比較して、どちらが幸福だったんでしょうか?正直、本当に分からないんです。

 

違う豊かな惑星の存在などに気づかずに、ちゃんと自分の足元だけを見ていれば、それはそれで満ちていたのかも?と思うのです。相変わらず飲んだくれて、案外、好きじゃない女の子のことを好きだと思い込んで、自分が誰かも知らず、世界がどんなところかも勿論知らぬまま、平和に生きてったかもね。

 

知らない方が幸せだったと、言いたくないのに。けっきょくかなしい。そんな心境でした。